KDDI 総研特別研究員 Jon Metzler (President, Blue Field Strategies)

Transcript

1 KDDI 総研 R&A 2010 年 3 月号執筆者 KDDI 総研特別研究員 Jon Metzler (President, Blue Field Strategies) サマリー主な登場者キーワード地域米国記事のポイント 2009 年 11 月 4 日 ~5 日米国カリフォルニア州サンフランシスコ市で第 3 回のオープンモバイルサミット (Open Mobile Summit) が開催されたこのカンファレンスが初めてお目見えしたのは 2008 年の秋のことでありその時もサンフランシスコで開催された今回のカンファレンスの主要なテーマは (1) スマートフォンを超えた次の進化にあたる app phone カテゴリの出現 (2) 顧客との関係におけるキャリア端末メーカー OS プロバイダとアプリケーションプロバイダの間に存在する競合状態そして (3) アプリケーションストアと OS の断片化と統合化の必要性または少なくとも OS とアプリケーションストアにまたがるアプリケーション配布の水平的手段の必要性といったものであった背景となるテーマとしては Android OS の定着である Motorola 社の新機種の Droid(Verizon Wireless より販売中 ) はカンファレンスの 2 日目に発表された 2008 年の会議でもそうであったが Apple 社と Google 社は限られた参加であるにも拘らずその存在は議論において大きかったパネルの参加者たちはその場にいない企業 (Apple 場合によれば Google) について議論するために多くの時間を費やしているように見えた Research in Motion(RIM) の不参加もまた特筆すべきでパネリストたちの口ぶりも米国スマートフォン市場における RIM の圧倒的なシェアにもかかわらず Blackberry OS が後に取り残されているかのようだった AT&T と T-Mobile USA の CTO による基調講演が行われそれぞれオペレータの立場からオープン化の意味について語った AT&T の CTO John Donovan 氏は特にデータトラフィックの莫大な増加によって AT&T Mobility が直面している難局について率直に話したがこれは 2009 年 10 月に CTIA Wireless IT の展示会で行われた AT&T Mobility の社長の Ralph de la Vega 氏の講演内容に沿ったものであった AT&T の Donovan 氏はモデレーターを務めた Wall Street Journal 紙の有力記者の Walt Mossberg 氏から同社のネットワークの状況に関して鋭い質問を受けた総括すればこのカンファレンスは今現在変革期にあるワイヤレス業界の関係者にとって洞察に満ちた有意義なイベントであった Intel Google AT&T T-Mobile USA Amazon Ericsson Motorola Apple オープンオープンモバイルオープンソース OS モバイルインターネットモバイルデータオープンデバイスオープンネットワークアプリケーションストア Horizontal delivery, 端末アプリサービスの垂直統合 PAGE 1 of 13

2 1 ただのスマートフォンではない App Phone の登場と Android OS の定着オープンモバイルサミット (Open Mobile Summit 以下 OMS) の2 日目 Google のAndroid OSで稼働するMotorola 社製新携帯端末 Droidが発表されたこの端末は Verizon Wirelessによる独占提供で同社との2 年間のサービス契約を条件に199ドルで入手できる Verizon Wirelessは Droid Does キャンペーンのTV 広告により発売開始前から大々的に販促活動を行っている ( 脚注 1) キャンペーンでは基本的に iphoneができないことのすべてに対して訴求しておりキャンペーンのタイトルも idon t, Droid Does (iphoneはしないがdroidはする) ( 脚注 2) というものである Googleも社名を広告キャンペーンに提供した筆者はVerizon WirelessのUSBデータカードを持っているが Droidの広告チラシが請求書とともに送られてくるテレビのキャンペーンCMでは Apple 社が愛用している書体まで真似て idon t customize(iphoneはカスタマイズできない ) idon t have a real keyboard(iphone は本当のキーボードはもっていない ) idon t allow open development(iphoneはオープン開発を許さない ) といった iphoneのよく知られる弱点を直撃している ( 図 1 参照 ) 図 1 Verizon Wireless idon t, Droid Does 広告キャンペーンより ( 脚注 1) ( 脚注 2) (Verizon Wireless idon t, Droid Does 広告ビデオ ) PAGE 2 of 13

3 イベントの2 日目で最初の基調講演を行ったのは Wall Street Journal 紙でコンシューマーテクノロジーの評論家として非常に影響力のあるコラムを執筆している Walt Mossberg 氏であった ( 脚注 1) Mossberg 氏のコラムは親 Appleであることまた消費者向け電子機器とソフトウェアの運命において非常に大きな影響力を持つことで知られる講演中彼はMotorolaのDroidを持ち上げてiPhoneと同じクラスであると称賛した後に我々は新たな段階にいるこれら (DroidとiPhone) はたまたま電話をかけることができるコンピュータだこれらはPCと同じようにプラットフォームであると述べさらにスマートフォンという用語はいまや適切ではない Palm Windows Mobile Blackberryはスマートフォンだがこれら (Droid とiPhone) は違う Nokiaの電話はデータ機能の付いた音声端末だがこれら (Droid とiPhone) はPCから直接進化したものであると続けた再び甦生できそうな Motorola 社の端末部門にとってこれは大きなマイルストーンである MotorolaのDroidは米国市場において発売された初めてのAndroid 2.0 OS 搭載機種であるそして Verizon Wirelessで唯一のAndroid 端末でもない (Verizon Wireless は Android 1.5 OSで稼働するHTCのDroid Erisも販売している ( 脚注 2) ) にもかかわらず Verizon Wirelessが注力して販促活動している最初のAndroid 端末であり二大ワイヤレスキャリアであるVerizon WirelessとAT&Tのうちの1つによって大いに販促された初めてのAndroid 端末でもある Android OSは米国では T-Mobile USAから発売されているG1(HTC Dream) と MyTouch 3G(HTC Magic) の2 機種で初めて姿を見せた図 2 Verizon Wirelessのウェブサイトより DroidかDroid Erisを買えばDroid Eris を無料で (2 年間の利用契約が条件 ) 提供するキャンペーンを実施中 ( 脚注 1) ( 脚注 2) Verizon Wireless は Motorola Droid に焦点を当てた広告キャンペーンを実施したが Buy One Get One Free のキャンペーンや端末購入を大いに支援するなど HTC の Droid Eris も本格的に販促している PAGE 3 of 13

4 OMSで展示をしていたデベロッパの1つ WorkSmart Labsは Motorola Droidを事前に入手していたが正式にリリースされるまではこれを伏せていたこの会社のブースでは端末のGPS を使ってジョギングするランナーを追跡する CardioTrainerというアプリケーションのデモンストレーションを行っていた ( 脚注 ) 図 3 オープンモバイルサミットでの WorkSmart Labs のブース ( 筆者撮影 ) さて 2008 年から2009 年にかけて50% 近く出荷が激減 ( 四半期あたり1400 万 ~ 2800 万台 ) し Android OSに賭けているMotorola 社だが影響力のある著名人より公開の場でお墨付きをもらった結果としてAndroid OS 自体も同様である T-Mobile USAのCTO Cole Brodman 氏はイベントの初日に基調講演を行ったその中で彼は T-Mobileの2009 年第 4 四半期の端末販売のうちスマートフォンが 40% を占めることが予測されると述べた (T-Mobile USAは 2009 年第 3 四半期で 3340 万の加入者がいる 2 年に1 回の端末買換えサイクルを想定すると四半期あたり約 420 万台の端末が売れることになり 2009 年第 4 四半期には約 170 万台のスマートフォンが売れる計算になる ) 彼は図 4にあるような T-Mobileが考える Android の機会について説明した ( 脚注 ) PAGE 4 of 13

5 図年秋のオープンモバイルサミットでの T-Mobile USA のプレゼンテーションより T-MobileのAndroid 端末ユーザは T-Mobileの平均的ユーザのモバイルデータ使用量の50 倍のデータを消費することを特筆すべきであろうこのことは T-Mobileのアンドロイド端末 G1とMyTouchは基本的にモバイルWeb 端末であることを確証するものである T-Mobile USAは米国の大手携帯電話事業者の中で 3Gのネットワーク展開で最も遅れをとった業界の論評では彼らは遅れた時間を埋め合わせているとされそのHSPAネットワークの速度は賞賛されている 3Gサービス開始の遅れにより T-Mobileはモバイルデータのヘビーユーザ数が相対的に少なかった従って Androidユーザと T-Mobileの加入者基盤 ( 一般的には若年層で低 ARPU 利用パターンは主にSMS 中心でデータ利用は少なめ ) の間のデータ消費ギャップはなお著しいものである 2009 年第 3 四半期現在 T-Mobileはネットワーク上に280 万台の3G converged devices ( キーボード付 3Gスマートフォン ) を抱えている Q&Aの間 T-MobileのBrodman 氏は同社がただのネットワークサービスプロバイダつまりパイプになってしまう可能性があるかとの質問を受けた Brodman 氏はパイプ ( ビジネス ) はなかなかよい事業だと答え我々は位置情報やコンテキストの情報課金情報ネットワークAPIなどを開示し外部のデベロッパがそ PAGE 5 of 13

6 れらを使ってよりよいものが作れるように提供すると付け加えた ( 脚注 1) Brodman 氏のコメントは翌日のWall Street Journal 誌のMossberg 氏によるキャリアに対する発言と比較しては対極的なものであった Mossberg 氏の発言は次のようなものだった : キャリアは旧ソ連の省みたいなものだ私はよくそのように彼らを例えてきた私は自分たちのコアビジネスについてこれほど不満に思っている業界を見たことはないキャリアはネットワークを構築し管理するという名誉があって賞賛されるべきビジネスに関わっているネットワークを稼働させるのは大変な仕事であるこれらのネットワークはこういったものたち (iphoneとdroidを取り上げる ) のためには設計されていないキャリアは収益を上げる権利があるしかしキャリアは上りと下りの全てをコントロールしたいと思っているそしてこれらのデバイスはそうしようとするキャリアのパワーを弱体化させているこの発言の通り OMSの明確なテーマの1つかつ現在の市場の大きな課題はまさにブランド課金アプリケーションAPI そしてデータ保管と所有特にポータビリティの観点からした顧客 ( 加入者 ) の所有権であるたとえば Android 端末が増加することは例えキャリアを乗り換えたとしても顧客が自分自身のデータをAndroid 端末からAndroid 端末へ移転することができるようになるのだろうか? この問題はアプリケーションストアの成長として具体化される長年のキャリアによるアプリケーションマーケットプレイスに加えて消費者は今では OSベース (Android Windows) のマーケットプレイス端末メーカーのマーケットプレイス (LG Samsung SonyEricsson) または端末とOSの統合されたマーケットプレイス (Apple RIM ( 脚注 2) Palm ( 脚注 3) ) からアプリケーションを購入することができるオープン化 =アプリケーションの販売チャンネルの断片化と思ってもおかしくないだろうこの状況はいくつかの疑問を提起するアプリケーションデベロッパはどのように開発すべきプラットフォームの優先順位をつけるべきか? また消費者はどのように優先順位をつけるべきか? もし顧客がキャリアや端末を変えた場合誰がデータを所有するのか? ( 脚注 1) ( 脚注 2) カナダの Research In Motion 社 BlackBerry を生産する ( 脚注 3) 米国の携帯情報端末のメーカー TREOやPreが代表的な端末 PAGE 6 of 13

7 2 顧客との関係における競合状態図 5 は前項で述べた競合状態を表現したものである図 5 顧客との関係における競合状態 ( 筆者作成 ) この市場背景においてキャリアの長年の利点は顧客との課金関係であるすでに確立された課金手段を提供しているので消費者は新しいアプリケーションを購入する際新たにクレジットカードの情報を入力する必要がない確かに Apple がiTunes App Storeを立ち上げたときの大きな利点の1つはすでに何百万人ものPC にiTunesのインストールベースが載っておりまた何百万ものクレジットカード番号が登録されていたからである従ってワンクリック購入が可能だったのである PayPal ( 脚注 ) やGoogle Checkoutを使う必要があるRIMのマーケットプレイスとは大きく異なる Androidマーケットが立ちあがったときには T-Mobileを通してのキャリア課金ができなかったため RIM 同様ユーザはPayPalかGoogle Checkoutを使わなければな ( 脚注 ) オンラインでお金をやり取りするためのサービス ebay を始めネット通販やネットオークションに多く採用されている PAGE 7 of 13

8 らなかった (T-Mobileは OMSでAndroidマーケット用のキャリア課金が実現したと発表した ( 脚注 1) ) まとめるとクレジットカード情報か課金関係かまたはその両方は特に小さい画面のワイヤレス端末においては基本的な競争優位点であるなお NokiaのOviマーケットプレイスも米国で開始された時点ではキャリア課金を提供していなかった ( 脚注 2) デベロッパにとってのアプリケーションマーケットプレイスの欠点は OMSにて以下に挙げるように様々な形で強調された A) ビジネスモデルの持続力 (Sustainability) 最初に RealNetworks ( 脚注 3) からの質問はアプリケーションマーケットプレイスというものの成長性持続力についての難題を強調するものだった米国でのアプリケーションストアの典型的な収益分配はストア経営者が 30% でデベロッパが70% である一方 MicrosoftやAdobeなどのソフトウェア企業の粗利益は80% 以上であるため彼らのような大手ソフトウェア企業にとってはアプリケーションストアの魅力は低い ( 脚注 4) 質問者はこのモデルでは営業コストをあまりかけられない4~5 名の小規模デベロッパのみが利益を得ることができるという意味ではないかと発言した B) 発見容易性 (Discoverability): 2つ目の難題は発見容易性についてのものである 2009 年 11 月 4 日 OMS 初日に AppleはiTunes App Storeのアプリケーションが10 万を突破したと発表した ( 脚注 5) 2008 年 7 月に開始されたことを考えるとこれは流星のようなペースである ( 脚注 6) ( 図 6 参照 ) ( 脚注 1) -to-android-ma/ ( 脚注 2) echnologynews ( 脚注 3) RealNetworks 社はインターネット上で音楽や映像などを配信再生するためのソフトウェアを開発する会社 RealPlayerが主要製品 ( 脚注 4) 関連企業の粗利益は Real Networksは約 60% Googleは60% 以上 Yahooは 60% 以下 Oracleは約 80% SAPは約 65% ( 脚注 5) ( 脚注 6) PAGE 8 of 13

9 図 6 itunes App Store アプリケーション : 総数新規追加増加率 ( 右縦軸は対数スケール ) (148apps.comのデータを元に筆者作成) これは消費者にとって素晴らしい多様性を提供する一方で Discoverability( 発見の容易性 ) の問題を引き起こしている実際あるアプリケーションがiTunes App Storeのホームスクリーン ( 新着注目人気または無料トップ有料トップ ) に載っていなければ見つけるのは非常に困難であるブランド力 ( 例えばゲームでいえば懐かしのAtari ナムコセガなど) はこの問題を緩和するためのひとつの戦略でありアプリケーションデベロッパの間で新しいデベロッパが既存のものに便乗するチャンネル統合が形成されているそれでも無名のデベロッパによる新しい優良アプリは Appleの販促がない限り見つけられることはないかもしれないこの発見容易性の問題については Digital Chocolate ( 脚注 1) Tapulous ( 脚注 2) Truphone ( 脚注 3) TuneWiki ( 脚注 4) そしてPandora ( 脚注 5) からのパネリスト達により議論された Digital Chocolateは従来のキャリアの販売チャンネルを使っておりパネリストのうちおそらく最も伝統的なアプリケーション開発者である ( 脚注 1) ( 脚注 2) ( 脚注 3) 米国の大手ゲーム会社さまざまなプラットフォーム向けに製作米国のゲーム会社 iphone アプリ Tap Tap シリーズが人気携帯電話上の VoIP サービスを行う英国の会社 ( 脚注 4) iphone で音楽を再生させながら歌詞を表示する iphone アプリを開発 ( 脚注 5) 米国で人気のインターネットラジオのサービスを提供個人の好みに即した曲が自動的に流れてくる PAGE 9 of 13

10 PandoraもPCブラウザーの世界でスタートしあとからiPhoneアプリを開発したのである Tapulous TruphoneそしてTuneWikiは純粋な OSベースのアプリケーションプロバイダで itunes App StoreかAndroid Marketのどちらかでしか販売していない TapulousはiPhone 専業のアプリケーション開発者であるパネリストたちはアプリケーションストアでの市場位置づけが固まりつつあり新規デベロッパが参入に成功するのはより困難になりつつあるということを認めたその結果小規模な新規デベロッパはより大きなアプリケーションプロバイダと分配取引をするようになりアプリケーションストアのエコシステムにさらなるレイヤーが追加されることになるかもしれない 3 アプリケーションストアとOSの来るべき統合化? 上述のアプリケーション開発者はすべて提供主体のシェア拡散 ( 断片化 ) によってアプリケーションが消費者に届くプロセスに混乱と摩擦を引き起こすとして最近のアプリケーションストアの急増を快く思っていなかった Truphoneはい ( 脚注っそ3つのOSに絞って問題なく動作させたほうがいいと述べ温和な独裁者 ) がいたほうがアプリケーションストアのモデルがうまくいくと付け加えた AT&TのCTO John Donovanはキャリアの観点から2つの面でこの問題に触れたひとつ目は米国スマートフォン市場でのOSの断片化である図 7 AT&T によるプレゼンテーションより (OpenMobileSummit 2009) ( 脚注 ) Benevolent dictator または benign dictator その秩序を守る善意をもつ独裁者という意味で比喩としてよく使われる決まり文句である PAGE 10 of 13

11 この断片化は図 7のスマートフォンOSのシェアデータに加えて残りの非スマートフォン ( いわゆる従来型のフィーチャーフォン ) の市場サイズを強調した comscore ( 脚注 ) の最新データ ( 図 8) によっても検証される ( スマートフォンOS とはアプリケーションを追加することのできるOSとして定義される ) 図 8 米国市場におけるスマートフォンと非スマートフォンの OS シェア (2009 年 10 月 ) (comscore のデータを基に筆者作成 ) comscoreは米国の携帯電話市場の規模をおおよそ2 億 3000 万台 ( 無線業界団体 CTIAの推測では2 億 7000 万台 ) としているそうすると1 億 9700 万 ( 約 85%) 近くの電話がまだスマートフォンではないことになる AT&TのDonovan 氏は図 9に示すように AT&Tは断片化問題に対して開発者向けのAPIを作成して対応する予定であると述べたスマートフォンOS 向けのアプリケーションの場合直接 OSのAPIより端末の位置情報などをアクセスできる場合があるため同社のこのAPIは恐らくフィーチャーフォン向けなのであろう 2009 年 10 月のComScoreの発表によると米国の移動通信市場におけるフィーチャーフォンの市場シェアは84% だということである ( 脚注 ) 米国のインターネットのトラヒックを調査する会社 PAGE 11 of 13

12 図年秋オープンモバイルサミットでの AT&T のプレゼンテーション本質的にはこれは T-Mobile の CTO Brodman 氏がオペレータの役割として述べたことと同様である執筆者のコメント今回のOMSでは (1) app phone カテゴリの出現 (2) 顧客関係における競合そして (3) アプリケーション販売チャンネルの断片化と統合化の必要性は大きなテーマであったまた背景となるテーマとしては 8700 万の加入者を誇り市場 1 位のVerizon Wirelessの採用が裏付ける米国のワイヤレス市場におけるAndroid OS の定着であった Verizon Wirelessを含めてアメリカの4 社の全国キャリアのうちの3 社がAndroid OSを採用しているということは iphoneとitunes App Storeが定着し Appleと iphoneの独占販売権を未だに所有するat&t Mobilityのほか最大の受益者は出荷台数が倍増したRIMとAndroid OSを開発したGoogleの2 社だと言えよう公の場でデベロッパさえ面倒くさがる程アプリケーションストアが増加したということは統合化が望ましい証拠なのであろうまたスマートフォンOSの統合化が望ましいと公言するキャリアはAT&Tだけではない米国では恐らく出荷台数の面でスマートフォン市場 1 位のBlackberry OSと iphone Androidはキャリアにとって3 大のスマートフォン ( とアップフォン )OSとなるであろうそれにつれてアプリケーションストアの合理化も必然的に起きるかもしれないこの中で今後の課題としてはキャリア OS 端末をまたがるデータポータビリティーは浮上するかもしれない PAGE 12 of 13

13 執筆者プロフィール氏名 : Jon Metzler ( ジョンメッツラー ) Founder and President of Blue Field Strategies ( ブルーフィールドストラテジーズ創立者社長 ) 経歴 : 米シカゴ生まれ現在サンフランシスコ在住 90 年代初頭 5 年間の滞日時朝日新聞出版局 TBS CBS などを経て 98 年本国へ帰国 UC-Berkeley にて日本とシリコンバレーを比較研究しビジネスと東洋学の修士号を取得後に PAI 社に入社し多岐にわたるアメリカのベンチャー企業の日本市場開拓を受託するその後地上波放送電波を使った位置測定技術を開発した Rosum 社に入社しアメリカ国内のテレコムと国防の事業開拓を務める一方 E911 などの課題で FCC など規制機関をも担当するシリコンバレーワシントン DC 日本での経験とネットワークを生かす Blue Field Strategies はテレコムとメディアの市場と規制の分析提唱活動事業開拓などを行いまたベンチャー投資のデューディリジェンス日米のベンチマーキングをも受託する 2008 年 8 月より KDDI 総研の特別研究員として米国の情報通信市場規制動向等に関するレポート執筆個別調査等に従事主な関心分野はモバイル放送 DTV 変換ロケーションサービス次世代 UI 携帯端末の販売リユースリサイクルなど PAGE 13 of 13